2026年10月2日(金)、医学科2年次「医系の人間学2B 〜医療プロフェッショナリズム応用編〜」が開講し、第一回として「チーム医療実習振り返り」の授業を行いました。
本授業は、医療現場における人間理解やコミュニケーション能力、多職種連携、医療の質と安全についての深い洞察を得るとともに、医療プロフェッショナリズムの本質を学ぶことを目的としています。
「正解」がひとつとは限らない臨床現場において、医師をはじめとする医療者には、医学的知識や技術だけでなく、患者さんの背景や価値観に耳を傾ける「ヒューマニズム」や「利他主義」といった姿勢が求められます。
本講義の内容は、総合診療において重視される7つの資質・能力のうち、多職種と協働してケアを提供する「連携重視のマネジメント」や、高い倫理観と責任感を持って医療に取り組む「公益に資する職業規範」の育成に深く対応するものです。
講義では、単に理論を学ぶだけではなく、学生たちが「心が動いた体験」を振り返り、将来の糧として応用できる「省察的実践家(Reflective Practitioner)」へと成長することをねらいとしました。
今回はポジティブな強みや成功体験に焦点を当てるAppreciative Inquiry(AI:肯定的探求)のアプローチを導入しました。チーム医療実習での経験を振り返り、個人ワークとグループワークを通じて学びを深めました。
まず、個人ワークで、実習中に自身が経験した、あるいは他の医療者の行動を見て「プロフェッショナルだと感じたこと」「感動したこと」「大切だと思ったこと」を具体的に抽出し、その時の自身の感情にフォーカスして整理しました。
次に、異なる実習施設で学んだ4〜5人のグループを編成し、インタビュー形式でお互いの体験談を掘り下げました。背景や選択肢、感情の動きを丁寧に聞き取ることで、他者の視点や多様な価値観への理解を深めました。
そして、グループ内で最も印象深いエピソードを1つ選び、プロフェッショナリズムのどの要素(利他主義、説明責任、卓越性など)が込められているかを議論しながら、一つの「物語(ナラティブ)」として再構成しました。最後に各班の代表者が全学生に向けて物語を朗読・解説し、学びと思いを全体で共有しました。
講義後、学生からは「今回は、班の中で共有し、班で1つの発表となったが、もっとたくさんの人の経験を聞いてみたくなった。」「発表の中で利用者さんの手を握ると、その方が涙を流されたというものがあった。言葉を使わなくても、こうしたふれあいによって、相手の感情に働きかけたりすることができるのだと思った」「グループワークで他者に伝えようと言語化したことで、自分はどのような場面で心を動かされ、将来どのような医療者になりたいと感じたのかを振り返ることができたので、今後は、今回の気づきを、自分の理想の医療者像に近づくための行動に繋げていきたい」等の意見が寄せられました。
